夏の高校野球

 去年に続き今年も良い試合をしてくれそうな予感があり、車で移動中はラジオで実況中継を聞いていた。聞き始めたのは4回からで、佐賀北が一方的に押されながらも必至の守備で0点に抑えている展開だ。いわゆる完全なワンサイドゲーム。それが4、5、6と続き、とうとう7回に追加点を入れられたときには、もう決まったと思った。そして、運命の8回裏。ヒットや粘ってのフォアボールで塁を埋め、とうとう1点を取ったときには我がことのように嬉しさがこみ上げてきた。
 野球は筋書きの無いドラマという言葉があるが、今回はまるで漫画のような展開が待っていた。遂に1点目を入れた後、次のバッターが逆転満塁ホームランを放つ偉業を見せてくれた。鳴り止まない歓声がえらく印象的だった。
 いや本当にいい試合だったよ。正直どちらが勝ってもおかしくない展開で、佐賀北が連打を許していれば、いやミス1つ、いやミスとも呼べないような緩みでもあれば広陵が勝っていてもおかしくなかった。あえて言うならば、最後まで粘り試合を捨てなかった佐賀北勝利の女神が微笑んだと言うところか。