スカイ・クロラ

　実は森博嗣氏の作品を読むのはこれが初めて。凄くとっつきやすいというか、無駄の無い文章はちょっと衝撃的だった。更に句読点の使い方も上手いので、文章がすらすら読める読める。羨ましいほど文章センスの良い人だと思ったのがまずは第一印象。
　そして、作品自体の感想の方だが、近未来もしくは現代に特殊設定を加味した世界設定ながら、それの説明がほとんど無く主人公が見る狭い視点でのみ、物語は動いていく。断っておくがこれはけなしているのではない。むしろ、これで十分楽しめる上に、主人公の心情も分かりやすいので凄く感情移入できた。少し哲学的なところはあるけど、全然苦にならないし、良い味付けだと思う。他にも色々と書きたいところはあるのだけれど、ネタバレで作品の良さを損なってしまいそうなので、この辺で。むしろ、書かなかったところの方が良いしね。

スカイ・クロラ （中公文庫） [ 森博嗣 ]