沖で待つ

 何かを主張している訳ではない。だが、その物語の中には確かに感じられるメッセージが存在する。それは、十人いれば十人ともが違う解釈をするものかもしれない。だが、共感しうるところもまた確かにあるのだ。人間、苦労して得られるものはそう変わりがないのかもしれない。そうして得られたものは、とても大切なものなんだろう。そう、私なりに感じ取った。おそらく、読み返すことはないだろうが、心に残る一冊であった。

沖で待つ (文春文庫)

沖で待つ (文春文庫)