謀略法廷

 ジョン・グリシャム氏の作品群は私の作風の原点ともいえる。リーガル、ミステリーといった好みはこの辺りで培養されたものだ。で、久々に氏の本を読んで原点回帰した気分である。
 今回も氏らしく、アメリカの法曹問題を露にしている。大企業の魔手が裁判所にも届き、弱者である被害者達に襲いかかっていく。評決の行方を左右する最高裁判官の選挙。果たして、勝利は誰の手に渡るのか。最後の最後まで目がそらせない傑作だった。

謀略法廷〈上〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈上〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈下〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈下〉 (新潮文庫)