あなたに不利な証拠として

 去年というか、まあ最新のミステリー大賞の1位の栄冠に輝いた作品。女性警官に焦点を当てた短編集で、どの物語も描写力…いや、リアリティの高いものが揃っていた。それもそのはず、著者は元警官。おそらく、アメリカ社会ではこのような事件が本当に起こっているのだろう。といわけで、凄く参考になった。ゲームの世界の警官たちもこんな感じでやっているのだろう。ちなみに面白さで言うと、素直に楽しめると言えないところがある。それは、アメリカと日本の倫理観の違い。日本では有り得ないことが平然と行なわれているので、私には戸惑いがあった。最も、これはリアリティが高いがゆえに感じたことだ。他の刑事物を読んでも、こんな感覚を受けたことは無かった。まあ、素直に凄い。