ナイトウィザード・キャンペーン6回目(最終話)

 キャンペーンの最終回。何度やっても妙に気持ちが高ぶる。今まで積み重ねてきたものが、この一回に昇華する。故にもったいないけど、それでも終わりを見たいと思うのかもしれない。
 さて、このキャンペーンはある意味でシステムとの格闘だった。GM的にではない。プレイヤー的にである。旧版と比べて2ndは遥かに戦術性が増し、はっきり言ってここまでの話で楽なものなど、ひとつも無かった。限界ギリギリの戦い。それでも乗り越えて、正に綱渡りのように物語が紡がれてきた。そして、最後もまたこのキャンペーンらしい展開を迎える。波乱に次ぐ、波乱。絶体絶命の連続。どこのハリウッド映画だと言いたくなるような展開がこれでもかと起こった。もちろん、GMの想定外のラインである。欠けていくリソース。何度も見える死の淵。比喩でもなければ、嘘でもない。正真正銘、奇跡のような展開だった。私は不謹慎ではあったが、ついつい笑い出してしまったほどだ。希望と絶望が交差して、限界を超えた戦いが目の前で繰り広げられている。もうダイス目を頼りに素手で殴り合っているようなもので、どちらが勝ってもおかしくない。最後には自己犠牲となって散っていくPC達。終わってみれば、立っていたPCは二人。激闘の末に掴んだ勝利であった。
 そこからがこのキャンペーンが真価であったかもしれない。これまでの話で綴れたPC達の物語。それを各自が自らに相応しい物語を展開していく。もうこれはGMの手を離れたものであり、各自がどれだけそのキャラクターを作り上げたかが問われるところでもある。ロールプレイで苦しめた4話。もちろん最終回でも同じような苦しみがあった。それらを乗り越えた彼らが織り成した物語は正にすべてを総括したようなもので、どれだけそのキャラクターと共に成長してきたかが良く分かる。たった5話の物語。されど、その色濃い物語はこうも凄いものを育ててきたのだ。
 最後に、このキャンペーンに参加してくれたプレイヤー達に感謝を。そして、また面白い物語を共に作りたいと強く言っておく!