Nのために
読者メーターに登録した際、コメントを読むと結構批判が多かったので、ちょいと擁護しておこう。まず、確かに批評の通りに『告白』に比べるとインパクトが弱い。似た形式で書かれているので、その辺は際立つだろう。だが、狙っているコンセプトは全く違う。『告白』が逆転に次ぐ逆転とするならば、今回のは精巧なパズルとでも言うべきものであった。タイトルの通りに全てのピースが上手くはまっているのは、やはりただならぬ技量だと思う。どれかひとつでも欠けていたのならば、あの事件は起きなかった。それほどに偶然で、すべては『Nのため』であったのだろう。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/01/27
- メディア: 単行本
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