ホワイトアルバム2

 発売日当日に買ったのだが、ようやくクリアした。選択肢無しで10時間程度のノベルゲームなので単純に遊ぶ時間を作れなかったのが問題である。しかし、面白くなかったわけではない。続きが気になるけど進められなかったというやつである。非常に辛かった……。まあ、クリアした今となってはその辺りの苦労も良いアクセント。それにしても、このゲームには見事してやられた。本編前の序章という扱いなので、物語の顛末は一番最初に提示される。どうやって、そこに至るかを追っていくわけなのだが……ほんと切ない。王道的な三角関係のもつれを描きながら、その誰もを応援したくなるような不思議な形。ある意味で悲劇なのだろうが、三人とも幸せになれる未来をつい夢想してしまう。これは本当に最後の落しどころが気になって仕方がない。本編はいつ発売するんだろう?

 それと、一番驚かされたのはメインヒロインのひとり雪菜の心情だ。主人公ともうひとりのヒロインは分かりやすい性格や心情描写も相まってよく分かるのだが、雪菜だけはよく分からなかった。いや、正しくは最後の仕掛けを解くまでは、だ。一番初めに物語の顛末が語られるのは先に書いたが、その前にこの物語を暗示するような心情描写が入る。直後に主人公の独白的なもので顛末が語られるので、てっきり主人公のものだと思っていたら――雪菜のでした。何のことはない、一番最初に語られていたのである。この仕掛けを見たとき、素直にやられたと思った。この調子で本編も私を驚かせて欲しい。