攪乱者

　久々に……いや初めて、石持浅海氏の本を新刊で読んだかもしれない。というのも出版社が文庫を出していないので、どこにも回収されない可能性を考えてからだ（相変わらず、文庫落ちを狙い）。まあ、そのお陰で久々にホットな内容を読めた。主題はテロリズム。といっても暴力行為ではない。タイトルどおりに攪乱して自分達の目指す、政府転覆を狙う。それだけ聞くと荒唐無稽なようだが、この辺は著者の本領発揮。これなら、アリかもしれないというラインまで上手く話を持って行っている。ミステリー風味は少ないが、なかなか読み応えのある内容だった。

攪乱者 (ジョイ・ノベルス)