尖閣諸島問題(私見)

 私の周りに興味を持っている人が思ったよりも多いみたいなので、私見をちょっと述べさせてもらおう。ただし、99%は推論と本のタイトルみたいな内容だ。何せ、この手の真実が明らかになるのは何十年も後のことだろうからね。まあ、それでもよけれお付き合いください。
 まず、一番真っ先に考えなければいけないことは、今回の事件(密漁船の拿捕)が偶然か故意かだと思う。もし、故意であるならば、中国もしくは日本に目指すべきゴールがあるはずだ。しかし、現状はまったくそんなものは見えない。とするならば、偶然起こった可能性が大きく、両国共に何の事前準備も出来ていないままにこの事態に突入したことになる。
 さて、そうすると両国にとって、どのような状況が望ましいかが問題になってくる。日本は内閣も改まったばかり、ここで問題が起きるのは野党から攻勢を受ける材料にもなりかねない。ならば、早く問題を解決したいところだろう。そして、中国だが案外こちらも早期解決を望んでいるような気がしてならない。何故なら中国は既に尖閣諸島で資源開発を始めている。それに日本政府は大した行動が取れていない現状だ。つまり、最も重要な要素は既に握っている状態である。日本人にはこのままこの問題を知られぬように、旨みだけを取りたかったに違いない。さすれば、何の問題も無く実利を取れるからだ。むしろ、今回の騒ぎで日本の世論がその問題に気付くのは最も恐れているはず。これが中国側も今回の問題を早期解決したいと思っている根拠だ。
 ならば、何故解決しないのか。最大の障害は長年の反日教育にあると思う。その部分を説明する前に船長の解放についても触れておこう。解放は検察の独断ということになっているが、まあ普通に考えれば日本政府が関与しているに違いない。加えて、普通に外交をやっているのならば、送り返す前に何らかの交渉が持たれたと見るのが普通だ。まさか、相手の善意を信じてなんてバカなことはやっていないと日本政府を信じたい。さて、ここでようやく反日教育にかえる。おそらく船長を帰せば、国内世論を沈静化させると中国政府は言っていたのだろうが、国民はそれで納得しなかった。何せ、日本はひと言も謝罪していない。これで収まりようも無かったのだろう。そこで、謝罪してくれれば鎮静化すると追加条件を出したに違いない。
 だが、ここが分水嶺だった。日本政府だって、非も無いのに謝れば、国民や野党から大いに叩かれる。従来であれば、簡単に謝罪を引き出せた中国側も対応に困っていることだろう。何せ、お互いに出すための外交カードが無いのだ。しかも放置していると第二、第三の事件が起こりかねない。互いに知恵を絞って解決手段を考えているんじゃないだろうか。
 ここで、日本が外交的に敗北するならば、どのような形になるか提示しておく。まあ、間違いなく日本が謝罪することだ。現状を見る限りそんな気配は微塵も無いが、これから先に中国政府の圧力や中国寄りのマスメディアの攻勢、更には経団連辺りからも謝ってすむのならば、ちょっと引いてやって謝ろうよという風潮が作られないとも限らない。是非とも、日本政府には断固として謝罪には応じないで貰いたい。
 次いで、起こりえることで最悪なのは中国の一般人が尖閣諸島を占拠してしまうことだろう。韓国が竹島を占拠したときのように軍隊が出てくることはまず無い。何せ、アメリカが早い段階で牽制している。軍隊を動かすとなれば、アメリカとの関係まで悪くしてしまう。だが、民間人が行動に出たのならば、何も出来ない。更にこの状態になると日本政府は強制的に追い返すなんてことは、まず出来まい。実質的に占領されたことになってしまう……。これの対応策は、残念ながら私の頭には無い。出来れば起こって欲しくない事態だ。
 と、まあ色々書いたが、今回の問題は長引けば長引くほどに、日本には良いことかもしれない。長引けば当然のごとく、中国からの圧力は大きくなるだろう。中国国民の反日行動もエスカレートしていくに違いない。だが、それを見て日本人はどう思うだろう? 自分達は悪くないのに勝手なことを言いやがって、といった感じで反中感情を強くするに違いない。これは良くも悪くもナショナリズム*1を喚起していくことだろう。まあ、中国も反日で国民を纏めているのだから、日本が反中でナショナリズムを育てても文句を言われる筋合いは無い。中国まで酷くはなって欲しくないが、せめて国防を真剣に議論できるような土壌は出来て欲しいと思う。なので、私の結論はこの問題が泥沼化することを希望!

*1:意味が分かって使っている。私はパトリオットでありたいなw