ウォーハンマー・キャンペーン4回目 その2

 さて、それでは続きを。
 宮殿へと強制的に連れて来られたPC一行。裁判の続きをすると言っているが、水掛け論でとてもじゃないが決着なんてつきそうにない。果たして、どんな展開になるんだろうと、与えられた部屋で無い知恵を絞っていると夜更けに訪問者がやってきた。さすがに用心しながら確認してみる今や敵対者となったウルリックの神官*1ではないか。次はどんな陰謀を仕掛けにきたのかと一気に警戒度が上がる。
 だが、その口から漏れてきたのは意外といえば意外、納得できるといえば納得できる話だった。
 何でもウルリックの大僧正は邪神の祭器を封印するはずが手元に抱え込んでいるという。で、その1でやった行動だ。「ああ、なるほど」とようやくPC(&プレイヤー)の合点がついた。要は邪神の祭器に操られてしまったというわけか。
 で、準備万端なことにウルリックの神官はその邪神の祭器・封印の箱入りを持ってきてくれていたのだ。あとはこれを神学学校に持って行って封印してもらえばいいとのこと。さすがにこの状態では嫌とも言えず、迷うことなく了解して紹介状を書いてもらう。
 ……しかし、本番はここからだ。宮殿の周りには衛兵が見張りをしている。しかも、あの裏切り者の衛兵隊長が指揮をとって、だ。どうしたものかと思案するも、名案が浮かばないので、事の次第をシグマーの司教に伝えにいく。そこで了承をもらったついでに、念のため神学学校への紹介状代わりに司教用の聖印を貸してもらう。
 と、ここでようやく突破口がひらめいた。対立している両神殿からの許可をもらってるんだから衛兵隊長を説得すればいいじゃん。それで実行に移すと、さすがに首を横には触れなかったのか、こっそりと出してもらうことに成功。途中で遭遇した巡回の衛兵にも司教の聖印を見せて突破し、何故か張られていたドワーフバリケードも同族のよしみで抜けて何の問題もなく神学学校へ到着した。
 そこで出会ったのはこのキャンペーン始まってのとても頼れそうなNPC。もう、みんなの目が羨望と期待に染まって、GMが驚くほど。これなら大丈夫と邪神の祭器・封印の箱入りを渡して一件落着かと思いきや………中に入っていたのはその1で助けて証言したもらったNPCの首。
 ぎゃああああああ!!
 いつからウォーハンマーはホラーになったんだ。……というか、このNPC名前も知らなかったよ
 というか、思いっきりはめられた。宮殿がやばいと、急ぎ引き返すPC。
 で、帰ってみると帰還時もこっそり入れてくれるように頼んでおいた衛兵隊長はおらずに代わりに衛兵が言伝を受けていると通してくれた。……どういうことだ?
 だが、そんなことを気にしている暇はない。急いでシグマーの司教とウルリックの神官の安否を確認する。幸いなことに二人とも無事だったのだが、代わりに諸悪の根源であるウルリックの大僧正が居ない。
 これを知った衛兵隊長が慌てて部下を問い詰めると、神殿に用事があるので通した見張りをしていた衛兵はいう。これに何故か衛兵隊長は大激怒。PCたちを通したことなんて忘れたかのように部下を叱り飛ばしていく。でも、きっと部下はこう思っていたはずだ。
 ――あんただって通しただろう! と。
 まあ、とやかく言っても仕方がない。準備に手間取る衛兵を尻目に急ぎ、PCたちは神殿へと。そこには何やら邪悪な儀式が進行しているようで、とってもおぞましい気配がびんびんしている。おまけに近付こうにも屈強な神官戦士が見張りをしている始末だ。でもまあ、上手く通れそうなところを見つけて外周の見張りは突破に成功。次いでホールに入るところで見張っていた神官戦士とはやむを得ず戦闘に発展した。
 まだまだ貧弱な装備のPC4人 VS 重武装した神官戦士2人。

 数の上では優位だが、装備が硬い。8点ぐらいの装甲とよんで攻撃を仕掛けていく。すると、いきなりドワーフクリティカルヒット ちなみにこのキャンペーン初のPCクリティカルである。おそらく、このゲームのクリティカルの名称はウルリック・ヒューリーというので、神殿を汚されたウルリック神がPCに助成してくれたのだろう。で、この勢いに乗って2ラウンド目に1体目を撃破。残るのも戦力差が4倍では勝てないだろうと攻撃を繰り返すが、硬いアーマーに阻まれてほとんど有効だが出ない。それでもダメージを積み重ねていくのだが……おかしい。私の計算ではそろそろ落ちる頃なのに倒れない。
 そのことを口にするとGMがにこやかな笑みを浮かべて装甲値が9であることを教えてくれる
 ………ふざけるな! どうりで倒れないわけである。ちなみにどのくらい暴挙であるかというと、まず敵に攻撃を命中させられる確率がPCの平均で50%くらい。ここから敵が20%の確率で回避するので、まあ大体40%ぐらいの確率で命中する。そこから、PCは平均で1D10+3のダメージロールを行ない、装甲値9を超えなければならない。もちろん装甲値と同じ値はダメだ。というわけで1点でもダメージを与えられる確率は40%。ここに命中とかの成功率もかけあわせると、有効打は16%しかないのである。ちなみに4人いるとはいえ、合計しても100%を超えないのではなかなか倒せないはずである。
 おまけに敵の攻撃は当たれば一発で致命傷になりかねない。
 一撃ごとに神経がすり減る。と、合わせて希望も磨り減ってきたところで狂信者のPCがクリティカル! ようやくこれで止めとなった。バンザイ!!
 だが、まだ終わっていなかった!!
 奥に入ると儀式が進行中で、しかもその周りには先ほどと同じ神官戦士が6人もいらっしゃる。おまけに3人も我々のことを相手してくださるという。NO! NO!
 ちなみにこの時のプレイヤーの反応は「無理だー!」「これは勝てんなぁ」「なんて無理ゲー」といった感じだ。
 でも、襲いかかってくるから戦う他ない。クリティカルヒットという僅かな希望を抱いて果敢に攻撃していくも、もちろんそんなものは出ない。で、1ラウンド目が経過すると神官戦士の1人が血を吹き出して死亡した。2ラウンド目も同様に別の神官戦士が血を吹いて倒れていく。どうやら儀式が行われている影響で、すべてが生贄になってしまうとやばいみたいだ。どうするどうする……って冷静に考えてみると儀式してるってGMが言ってたからウルリックの大僧正も近くに居るよね?*2 GMがそれを認めるといきなり方向変更。柔らかいウルリックの大僧正に攻撃を集中してあっという間に撃破した。
 やったー! という喜びも束の間。ここで儀式が中途半端ながらもデーモン様がやってきた。

 でも、こいつそんなに強くない。何といっても先ほどまでの神官戦士に比べば装甲は紙も同然だ。次々と攻撃を浴びせられて2ラウンドで倒される
 若干拍子抜けしながらも三連戦を抜け、勝利したPCたちに神の祝福が与えられた。加えて、神の試練もおまけ付き――何でも邪神の祭器は他にも2つあるらしい。というわけでそれを探しに行くことに。まあ、今回も生き残れたからいいとしよう。やったー、生き延びたぜ!!
 ちなみにセッション終了後、ようやく初期キャリアの全てのプロフィールが埋まり、全員が次のキャリアに転職した。

  • ドワーフ:鼠捕り→盾砕き(ドワーフの戦士とでも思ってくれ)
  • 狂信者:狂信者→鞭打ち苦行者
  • 書記官:書記官→見習い魔法使い
  • エルフ:漂白者→盗賊

 ドワーフと書記官は順調な道を進んでいるが、狂信者とエルフはどこに進もうとしているのやら。


 ちなみにセッションの後はボードゲームの『ウィングス・オブ・ウォー』で空戦を楽しんだ次第。

*1:邪神の祭器を手に入れてくる依頼の際に会った。でも、ほとんど話をしてない。

*2:このとき、戦闘マップには配置されていなかった